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寺岡 有殿; 吉越 章隆
OMICRON Nanotechnology Newsletter, 6(1), p.4 - 6, 2002/04
表面反応ダイナミクスの研究では分子の並進運動エネルギーの作用を理解することが重要である。Si(001)面上での極薄酸化膜形成は表面反応ダイナミクス研究としてのみならずULSIにおけるゲート絶縁膜の開発にとっても重要な問題である。Si(001)面の初期酸化の際のO分子の並進運動エネルギーの役割を明らかにするため、超音速O分子線と放射光光電子分光法を用いて酸化過程の並進運動エネルギー依存性を測定した。第一にHOが解離吸着した表面の酸化では1eVと2.6eVに並進運動エネルギーしきい値を見いだした。Si-2p準位の光電子スペクトルのピーク分離から、第一のしきい値は二量体シリコンのバックボンドでの、第二のしきい値はサブサーフェイスシリコンのバックボンドでの直接的なO解離吸着のポテンシャルエネルギー障壁を表していると解釈される。